FAQ


Q03
丹羽先生はアトピー性皮膚炎の原因は何だとお考えですか?
答えを出す前にここに興味深い実験結果がありますので、まずそれをご紹介しておきましょう。

アトピー体質の人の角質を特殊な機械を使って薄くはがします。
次にはがした角層をガラス板・ろ紙の上にのせ両端をテープで密着します。
するとどうでしょう。
健康人の角層では測定実験によってもろ紙の水分はなかなか逃げなかったものが、アトピー体質の人は同じろ紙の水分がみるみる失われていったのです。

この現象は皮膚炎の炎症部分の角層をはがそうと、皮膚炎を起こしていない正常皮膚の部分をはがそうと、アトピー体質の人の皮膚であれば同じ現象が見られたのです。
アトピー特有のカサカサ肌はこの角層の保湿機能の低下が原因であることがよくわかります
さらに、ここにアトピーの人には注意しなければならない物質があります。
過酸化脂質という物質で、過酸化脂質は後で詳しく説明しますが活性酸素と不飽和脂肪酸が結びついて生まれる物質です。

この過酸化脂質を先程と同じ実験に使ってみます。今度は保湿機能の正常な健康人の角層をはがしエーテルやアルデハイドとともに過酸化脂質を数滴落とします。
すると健康人の角層が障害を受け保湿機能が低下してアトピー体質のそれのように、水分がどんどん逃げていき始めたのです(文献、英文K.Hashimoto-Kumasaka参照)。
この実験から、健康人でも過酸化脂質にかかるとひとたまりもなく角層の保湿機能が破壊されることがわかります。

では保湿機能を破壊し奪うアトピーにとっては憎っくき大敵過酸化脂質はどのようにして生まれるのでしょうか。
先ほども述べましたように活性酸素と脂質(特に不飽和脂肪酸)が結合して、過酸化脂質は生まれます。
 
 
活性酸素+脂質(特に不飽和脂肪酸)=過酸化脂質
 
これはとても重要な公式です。公式にしたがって説明を加えますと、過酸化脂質を生みだすルーツ活性酸素について語らなければなりません。
活性酸素の分野では私は日本のパイオニアです。
その私の研究・実験の結果では、現代病の実に90%は活性酸素が関与していることがわかっています。

この恐ろしい活性酸素は何が原因で生まれるのでしょう。
また、活性酸素にはどういう性質があるのでしょうか。

活性酸素が生まれる要因はいろいろありますが、過剰な活性酸素が発生する主な原因となるとフロンガスの使用によってオゾン層が破壊され紫外線が異常に増加したこと、身近な例では健康診断のために受けるレントゲン検査による放射線、農薬、殺虫剤、医薬品から塩素化合物、排気ガスから生まれる窒素化合物にいたるまでの科学物質など。
こうして過剰な活性酸素が生まれる原因を列挙していきますと、現代社会が生み出した環境汚染こそその主犯であることがわかります。

当院の患者さんの出身地のデータを分析すると重症アトピー性皮膚炎の出身地に偏りがあることがわかります。
すなわち、
北から苫小牧、室蘭、札幌、仙台、東京、富士市、名古屋中心の中京地区、大阪、岡山-広島近辺の瀬戸内沿岸石油化学コンビナート工業地帯、伊予三島-川之江、大分県の海岸部などが挙げられます。
これらの地域には、それぞれ日本一の製紙工場、日本一の製鉄工場、日本一の人口集中と自動車の排気ガス公害、日本一の自動車工場、石油コンビナート工業地域や石油化学工場等がひかえており日本を代表する公害地域である
ことがわかります。

こうして見てきますと、
アトピーは、現代を代表する公害病であることが分かります。

では公害によって激増する活性酸素とはどのような物質なのでしょうか。皆さんよくご存じのジキルとハイドのように二面性を持った物質であると覚えておいてください。

人体にとってのプラス面を述べます。
体内にバイ菌やウィールスなどの異物(敵)が侵入してきたときに、それを防御しないと本隊までが総崩れになってしまいます。
そこで防御軍の前線基地に陣取っている食細胞(主に好中球とマクロファージという細胞)が動員され異物(敵)を食べに戦闘を開始します。
この働きを貪食と呼びます。

貪食された異物は、食細胞の膜で造られた活性酸素によって溶かされるのです。

しかし、公害などで活性酸素が激増すると、勢い余って食細胞の外に流れ出てしまいます。
すると菌やウィールスなどを溶かすほど強力な活性酸素が血管の内壁や内蔵を攻撃して傷つけさまざまな病気を引き起こしてしまうのです。

謀反を起こした活性酸素を取り締まるために登場するのは
SODという物質です。
健康体の人はこのSODの力(上昇能、誘導能)が強いため乱暴狼藉を働く活性酸素を抑え込み、取り除くことができますが、アトピー体質の人はSODの誘導能が健康人と比べて非常に低いた、公害で激増する活性酸素を取り除くことができません。

その上体質的に体内の不飽和脂肪酸を含む脂が非常に多く、活性酸素と容易に結び付いて過酸化脂質が形成されます。

元来、乾燥肌で皮膚炎が悪化しやすいアトピー体質の人に先の実験でもおわかりのように、過酸化脂質がさらに皮膚の保湿機能を奪うため乾燥肌がますます悪化、皮膚炎が悪化してしまうのです。 


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